数学 / Analysis
岐阜大学の図形と方程式・領域――方程式を出した後に範囲を戻す
この分野で本当に問われていること
この分野では、軌跡の方程式や領域の境界を求めることより、元の図形条件から「方程式のどの部分が実際に許されるか」を戻せるかが重要である。
また最大・最小では、領域全体を微分するのではなく、候補が現れる境界を絞り、端点・接点・頂点を比較する判断が問われる。
誘導の設計図を読む
2013年度第2問――内分・外分点から元の動点を逆算する
動点 から作られる内分点・外分点の軌跡を求める。直接、求める点を円の式へ入れるのではなく、内分・外分公式から の座標を求める点の座標で逆に表し、 が円上にある条件へ代入する。
ここで方程式を得た後、分点の定義や の動く範囲へ戻る。代数的に現れた曲線全体が軌跡とは限らない。
「軌跡を求めよ」の実戦手順は、
である。最後の逆確認までが解答になる。
2009年度第1問――前半の垂線・対称点が円の媒介表示を作る
垂線の足を方向ベクトルへの射影で求め、対称点を作り、その点の軌跡へ進む。前半の座標計算は、後半の動点を一つのパラメータで表す準備である。
最終的に半角の式へ直すと円の方程式が現れる。ここで重要なのは「円を予想する」ことではなく、前半で得た媒介表示から、二乗和が一定になる組合せを探すことである。
2015年度第3問――最大・最小は境界候補へ落とす
連立不等式の領域では、境界を一本ずつ描き、どちら側を取るか代表点で確認する。目的関数が一次式なら、内部に停留点はなく、候補は境界上へ移る。
ただし、境界に放物線が含まれるなら、端点だけでなく、目的関数を放物線上へ制限したときの頂点・接点も候補になる。「一次式だから頂点だけ」と機械的に判断しない。
2011年度第2問――二次式を距離へ読み替える
領域内で二次式の最小値を求めるとき、平方完成して点からの距離の二乗へ直す。すると、領域内のどの辺・頂点が基準点に最も近いかという図形問題になる。
微分を始める前に、目的式が距離、円、楕円などの等高線として読めないかを確認する。
問題の特徴から解法候補を絞る
| 特徴 | 最初の判断 | 最後の確認 |
|---|---|---|
| 動点と分点・対称点 | 元の動点を求める点から逆算 | 動く範囲 |
| 垂線の足 | 方向ベクトルへの射影または内積0 | 直線上にあるか |
| 軌跡 | 媒介表示から消去 | 余分な点、欠ける部分 |
| 連立不等式 | 境界を一本ずつ描く | 境界を含むか |
| 一次式の最大・最小 | 境界へ制限する | 端点・接点・頂点 |
| 二次式の最小 | 平方完成して距離として読む | 最近点が領域内か |
| 三角形の直角条件 | 直角頂点を三通り調べる | 場合の重複 |
よくある遠回り
- 消去して得た方程式を、そのまま軌跡全体とする。
- 領域を描かず、連立不等式を式だけで処理する。
- 一次目的関数だから多角形の頂点だけを調べ、曲線境界の接点を落とす。
- 二次式を二変数微分し、距離としての意味を見ない。
- 直角三角形で、どの頂点が直角かを一つに決めつける。
詰まったときの戻り先
軌跡では「消去前の媒介変数の範囲」、領域では「目的関数の等高線がどこで初めて領域へ触れるか」へ戻る。式の候補が多いときは、図形条件が候補をどう削るかを見る。
演習で確認する観点
- 前半の座標表示が後半の軌跡条件へどう入ったか。
- 媒介変数を消した後、元の範囲へ戻ったか。
- 最大・最小の候補を境界ごとに列挙したか。
- 目的式を距離や等高線として読めないか検討したか。
- 方程式上の点と、実際の図形上の点を区別したか。
出典・確認資料
- 岐阜大学数学過去問分析(2008~2025年度)提供資料に基づくオリジナル解説。過去問本文は転載していません。