英語 / Analysis

第2回 2025・2026年度から見る現行5セクションの詳しい分析

2025・2026年度の岐阜大学前期英語は、5セクション・各10問・計50問で共通しています。

この形式を理解するうえで最も重要なのは、Section 3・4も空所補充だという点です。両セクションを単に「内容理解問題」と分類するのは不正確で、実際には、単語、短い連語、長い句、節、文、見出しを空所へ入れる問題が混在しています。

現行形式は、ほぼ「空所補充+整序英作文」

Section問題数実際の形式主な判断
110問1語空所品詞・語法・文法・局所文脈
210問単語・句・節・文の空所前後の接続・指示語・段落展開
310問単語から文までの混合空所文法的な継ぎ目・具体例・見出し
410問単語から文までの混合空所科学記事の論理・因果・限定
510問語句整序+不要語文の骨格・語のまとまり

つまり、Sections 1~4の40問はすべて空所補充で、残るSection 5の10問は整序英作文です。現行50問は、実質的に次の二系統へ整理できます。

  1. 空所補充:40問
  2. 整序英作文:10問

岐阜大学対策で優先すべきなのは、特殊な内容一致問題の技巧ではありません。「空所に必要な大きさを判定する力」と「英文の部品を正しく接続する力」です。

Section 3・4の再分類方法

2025・2026年度の原本を設問ごとに見直し、選択肢を次の二群へ分けました。

  • 単語・短い連語:原則1~3語で、品詞・語法・連語から局所的に絞りやすいもの
  • 節補充系(長い句・節・文):4語以上、述語を含むもの、後続節を導くもの、見出し・質問文として段落全体を受けるもの

これは大学による公式分類ではなく、必要な解法を区別するための実戦的な分類です。

年度・Section単語・短い連語節補充系(長い句・節・文)節補充系の割合
2025 Section 34問6問60%
2025 Section 44問6問60%
2026 Section 34問6問60%
2026 Section 43問7問70%
2年合計15問25問62.5%

Section 3・4は単語補充も含みますが、中心は長い句・節・文相当の補充です。以下では、これらを受験実務上の広い意味で「節補充系」と呼びます。「長文を読んで設問へ答える」というより、「長文の欠けた部品を復元する」と捉えた方が実態に合います。

設問番号まで含む分類表は、2025・2026年度Section 3・4空所再分類にまとめています。

Section 1:1語の空所補充

問われるもの

空所は1語ですが、語彙だけの問題ではありません。

  • 冠詞の後なら名詞か形容詞か
  • 助動詞の後なら動詞の原形か
  • 前置詞の後なら名詞・動名詞か
  • 主語と動詞の数が一致するか
  • 受動態・完了形に必要な語形か
  • 後ろの前置詞や目的語と結び付くか
  • 段落の話題に合う語義か

最短手順

  1. 空所の左右5語程度を見て品詞を決める。
  2. 後ろに続く前置詞・目的語との連語を確認する。
  3. 二択になったときだけ前後1文へ広げる。

最初から段落全体を訳す必要はありません。Section 1は、文法と語法で選択肢を先に削る方が速く安定します。

Section 2:共有選択肢型の空所補充

Section 2では、複数の空所に対して共通の選択肢群を使います。単語、句、節、文が混ざるため、本文順に一問ずつ悩むと非効率です。

先に解く空所

  • 品詞が一つに決まる
  • 固定表現が見える
  • 代名詞の指示先が明確
  • 前後が原因→結果、主張→例など一意に決まる

確実な空所を先に埋めて選択肢を減らすと、曖昧な空所も決まりやすくなります。Section 2では「上から順に解く」必要はありません。

長い選択肢の確認

候補文が空所の直前とつながるだけでは不十分です。

空所の前半 + 候補 + 空所の後半

この一続きだけを読み、候補の左端と右端が両方接続するか確認します。次の文まで読むのは、候補が二つ残った場合だけです。

Section 3:身近な題材を使った混合空所

題材

  • 2025年度:会話を始める方法
  • 2026年度:睡眠と学業成績

身近な話題ですが、設問は内容一致ではありません。本文中の空所へA~Eの候補を入れます。

2025年度の10問

分類設問特徴
単語・短い連語Q21・22・27・30句動詞、略語、連語
長い句・節・文Q23・24・25・26・28・29具体例、発言、質問見出し、文相当の補充

長い補充は6問です。特に、本文中の小見出しとして質問文を選ぶ問題では、空所より後ろの段落が根拠になります。空所の前だけを読んでも決まりません。

同じ選択肢群が複数の設問で再利用される箇所では、句動詞や固定表現で決まる空所を先に処理すると有利です。

2026年度の10問

分類設問特徴
単語・短い連語Q22・24・26・29並列名詞、動詞+代名詞、短い補語、時間関係を作る接続表現
長い句・節・文Q21・23・25・27・28・30動名詞句、述語句、段落見出し、節を導く表現

節補充系は6問です。数は2025年度Section 3と同じですが、研究説明、述語句、段落見出しなど、空所が担う機能は多様です。

本文は「研究紹介→結果→短期と長期の対比→実践的助言」と展開します。そのため、語の意味だけでなく、今いる段落が研究説明なのか助言なのかを区別する必要があります。

Section 4:科学・環境記事を使った混合空所

題材

  • 2025年度:クジラの音声コミュニケーション
  • 2026年度:深海生態系と採掘

Section 4も全10問が空所補充です。専門知識を問うのではなく、科学記事に頻出する文の形を復元します。

2025年度の10問

分類設問特徴
単語・短い連語Q31・32・37・38名詞、短い名詞句、引用内の語
長い句・節・文Q33・34・35・36・39・40述語句、挿入節、研究方法、応用範囲

長い補充は6問です。

科学記事では、次のまとまりがそのまま選択肢になります。

  • 何を使って分析したか
  • 分析すると何が現れたか
  • 研究によって何が分かるか
  • 方法を他の対象へどう応用できるか
  • その技術で分かることと分からないこと

本文のテーマを知っていても、主語と述語の接続が崩れる候補は入りません。まず文法的な継ぎ目で削り、その後に研究内容を照合します。

2026年度の10問

分類設問特徴
単語・短い連語Q31・36・37単独動詞、分詞、名詞
長い句・節・文Q32・33・34・35・38・39・40挿入句、存在構文、資源供給、条件節、締めの質問

長い補充は7問です。

この年度では、空所の働きが特に多様です。

  • 文の主節を完成させる
  • カンマに挟まれた挿入部を作る
  • 前置詞句で観察対象を限定する
  • There構文で数量を導入する
  • 条件節で筆者の警告を完成させる
  • 最終段落をまとめる質問文を入れる

したがって「単語の意味が近いものを選ぶ」だけでは対応できません。空所が文中で何の部品になっているかを最初に判断する必要があります。

Sections 3・4で共通する決め手

1.選択肢の長さより、述語の有無を見る

長い選択肢でも名詞句なら主語や目的語になります。短い選択肢でも動詞を含めば文の骨格を変えます。語数だけでなく、候補内に主語・述語があるか確認します。

2.空所の右側を必ず見る

誤答は空所の左側には自然につながっても、右側で次のように崩れます。

  • 動詞が二つ並ぶ
  • 前置詞が重なる
  • 代名詞の指示先がない
  • 単数・複数が一致しない
  • 接続詞なしで主節が二つ並ぶ

3.見出し空所は後ろから決める

質問文や小見出しを入れる問題では、根拠は直後の具体例にあります。空所の前の段落より、空所後の2~3文を先に読みます。

4.共有選択肢は確実な箇所から使う

本文順に解かず、固定表現・文型・固有名詞で決まる空所を先に処理します。これは推測ではなく、選択肢を減らして曖昧さを下げる方法です。

Section 5:語句整序+不要語

Section 5は、2025年度がセミの大量発生、2026年度が双子とアレルギーを扱う長文です。

解き方は三段階で十分です。

  1. 骨格:主語と述語を作る。
  2. かたまり:前置詞句、不定詞、関係詞節、固定表現をまとめる。
  3. 余り:骨格にもかたまりにも入らない語を不要語にする。

不要語を最初に探すと、意味の印象だけで必要語を捨てやすくなります。英文を完成させた結果として一語が余る、という順で判断します。

まとめ

現行の岐阜大学英語は、形式名を五つ覚えるより、次の二つへまとめた方が対策しやすくなります。

  • Sections 1~4:空所の幅と左右の接続を判断する
  • Section 5:英文の骨格と語のまとまりを復元する

特にSections 3・4では、2025・2026年度合計40問のうち25問、62.5%が広義の節補充系でした。単語帳だけでなく、英文を部品単位で見る練習が必要です。

具体的な解答手順は、次の記事で三段階に絞って説明します。

なお、現行形式との断絶が大きい2015年度以前までさかのぼって傾向を分析する必要はありません。まず2025・2026年度の50問を、この二系統として解き直す方が優先です。


前の記事:第1回 11年間の問題形式の変化
次の記事:第3回 空所補充と整序を解く3点ロック法

出典・確認資料
  1. 岐阜大学前期英語・提供資料に基づく分析提供資料に基づくオリジナル解説。過去問本文・問題画像は転載していません。
掲載方法:公式情報へのリンクのみ

過去問本文や画像は掲載せず、必要な場合は大学等の公式ページへ案内します。

引用・図版の基準を見る